朝、目を開けた瞬間に時計を見て「やばい」と声を漏らした。普段より少し寝坊してしまい、時間が押している。急いでシャワーを浴びて、適当に服を選んで着替えると、慌ただしく家を飛び出した。月曜日の朝からこんなスタートは気分が乗らないものだが、それでも何とか間に合った自分を少し誇らしく思った。
コンビニで思い出す
仕事の途中、ふと「今日は11月11日、ポッキーの日じゃないか」と頭をよぎる。小腹も空いていたので、近くのコンビニに寄ることにした。店内は通常の月曜日の様子だったが、お菓子コーナーはささやかにポッキーのディスプレイで賑わっていた。期間限定のミルクチョコ味に惹かれてそれを選び、レジで支払いを済ませると少し気分が軽くなった気がした。
「こういう小さな楽しみも大事だな」と心の中で呟きながらオフィスに戻り、机にポッキーを立てて置いておいた。ちょっとしたお祝いだ。
月曜日の憂鬱と帰り道
月曜日はやはり忙しい。資料を見直したり、定例ミーティングに出たりと、いつも以上に集中が求められる。昼下がりには少し気分が沈むこともあったが、同僚たちと交わした軽い雑談が救いだった。藤原が「今週こそはお前を打ち負かすからな」と冗談めかして言ったときも、思わず笑ってしまった。
定時を迎えると、すぐに電車に乗る気分にはなれなかった。少し歩いて帰ることにしよう。夕暮れが街をオレンジ色に染め、冷たい風が頬をかすめる中、ポケットに手を入れながら歩く。道端のカフェや本屋の明かりが目に優しく、街がゆっくりと夜に変わっていく様子が心を静かにしてくれる。
今日の思い出と小さな発見
ポッキーの日にちょっとした楽しみを見つけ、帰り道を歩くことで頭を整理できた。特別なことはなかったけれど、こんな何気ない日も悪くない。月曜日の憂鬱はまだ少し残っているけれど、明日を迎えるための心の準備ができた気がする。
夜空を見上げると、月が静かに光っていた。ポッキーを一本取り出し、そのままかじって帰り道を歩き続けた。